就労継続支援B型ってどんな事業?

障がい福祉

~「働く」を支える、やさしい仕組みのこと。~

こんにちは!京都の宇治で行政書士をしている内賀嶋です。
今回は、障害福祉サービスのひとつである「就労継続支援B型」について、初めての方にもわかりやすくご紹介したいと思います。

「就労継続支援B型」とは?

就労継続支援B型(略して「B型」)は、
障害や病気などにより一般企業で働くことが難しい方に対して、仕事の場を提供する福祉サービスです。

パン屋さんの作業、内職作業、農作業、清掃、アクセサリーづくりなど、事業所によって提供される作業はさまざまです。
特徴は、雇用契約を結ばない“非雇用型”の働き方であるということ。

「今日は調子がいいから午後から行けそう」
「今月は通院が多いから少しペースを落としたい」
そんな風に、自分のペースで通える柔軟さもB型の大きな魅力です。

「A型」と「B型」ってどう違うの?

「就労継続支援」にはA型とB型の2種類があります。

種別特徴雇用関係対象
A型比較的安定して働ける方向けあり(雇用契約)働く意欲➕ある程度の体力・スキルがある方
B型体調や特性に波がある方でも利用可なし(非雇用)働きたい気持ちはあるが、雇用に結びつけるのが難しい方

B型は、「働きたい」という想いがあれば年齢や障害の程度に関わらず利用しやすいことから、多くの方にとって身近な支援のひとつです。

支援の目的は“工賃”だけじゃない

就労継続支援B型では、作業の対価として「工賃(こうちん)」が支払われます。
金額は事業所によって異なりますが、月数千円〜数万円程度が一般的です。

ここだけを見ると、「それって仕事と言えるの?」と思う方もいるかもしれません。
でもB型の本質は、「作業を通じてその人らしさや自信を育てていくこと」にあります。

  • 自分にもできたと思える体験
  • 仲間と協力しながら作業をする安心感
  • 毎日のリズムや居場所を持てること

こうしたひとつひとつが、利用者さんにとって大切な“支援”であり、“仕事”なのです。

私が見てきた現場のこと

以前、私が福祉の現場で働いていたとき、利用者さんとともに、町内のごみ拾いや地域のイベントに楽器演奏で参加することもありました。

そこで、地域の人たちに「ありがとう。」や「すごいね。演奏よかったよ!」など声をかけてもらうこともありました。「働くとは収入だけじゃない。」と思えた出来事でした。

そして、こんな風に、人や地域、社会とつながる機会を創り、支援することも福祉事業所の役目なのだとあらためて感じました。

そう思わせてくれるのも、就労継続支援B型の魅力だと私は感じています。

開業するには、どんな手続きが必要?

ここまで読んで、「自分もこうした事業を始めてみたい」と思われた方もいるかもしれません。

就労継続支援B型事業を始めるには、以下のようなステップが必要です。

  1. 法人設立(株式会社・合同会社・NPOなど)
  2. 人員配置・設備要件の確認
  3. 事業所の準備(賃貸契約、備品、就業規則など)
  4. 指定申請(都道府県や政令市への申請)
  5. 指定前の現地確認等

特に申請書類や整備基準には細かい規定が多く、開業までには数ヶ月を要するのが一般的です。

行政書士としてできること

私のような行政書士は、こうした福祉事業の立ち上げに関する書類作成・申請・準備支援を行う専門家です。

でも、ただ「書類を通す」だけでは意味がありません。
「この地域で、どんな事業が必要か」
「どうすれば安心して続けられる運営ができるか」
そうしたことを一緒に考えながら、事業者さんの想いを“かたち”にしていくのが、私の役割だと思っています。

最後に

就労継続支援B型は、「誰かの人生を変える」とまではいかなくても、
その人の日常に小さな光を灯すような、あたたかい事業です。

これから福祉事業を始めようとしている方、現場で働いている方、支援を必要としている方、
それぞれの立場で関わるすべての方に、少しでもこの事業の魅力が伝わればうれしいです。

「働くこと」を通じて、支え合える社会を少しずつつくっていきたいと思います。

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